加美町の木の家
家を建てるにあたっての建主の主な希望は
①同居予定のご主人のお母様との上手な住み分け。
②閉鎖的な敷地であるため、通風や採光を十分に確保すること。
③芸術家であるご主人のアトリエと住まいが離れていた為に存在した家族の距離を減らすこと。
この家づくりでは多少の時間やお金が掛かっても、家族のためにゆずれないこだわりを大切にしました。生活する上での快適さを大切にしたいという奥様の思いから、OMソーラーと床暖房を使うということで冬暖かく、夏涼しい快適な空間を造り上げました。
もうひとつのこだわりとして、兵庫県にある奥様の実家の山の木を使用しました。伐採・製材と約1年ほどの時間がかかりましたが、故郷の山の木をふんだんに使った木の家が出来上がり、加美町のお父さんにも喜んで頂けました。
1階は、お母様の生活スペース、中央にある木の格子で囲まれた階段を上ると2階、3階が子世帯の居住空間です。まっすぐに伸びた木の幹のような光の階段室を中心に枝と葉が繁るように生活空間が配置されています。
子供室などは、あえて間仕切り壁や扉をつけないことで他の空間とのつばがりも保てるようになっています。
階段は、フロアと家族のつなぐ「家の要」であるだけではなく、トップライトからの光が不思議な陰影を生み出す独立した空間でもあります。