板野の家
敷地は、建主の実家の近くで、田畑に囲まれた住宅街の一角に敷地はあります。
東側に蛍の出る川があり、その向こうにミカンや柿の木のなる小さな山が見えるのが、気に入ったそうです。そのようなこともあり、建主の方の希望としては、敷地からの眺望を生かした住まいにしたい、ということでした。また、ご夫婦で料理が好きということで、家族で料理をするのが,楽しくなるようなキッチンにしたい、という希望もありました。建物の計画としては、LDKを中心として、リビングに大きな窓を設置することにしました。ダイニングやキッチンからも、その窓を通して景色が望めるようにキッチンはオープンキッチンとしました。キッチンとワークスペースを一体とすることで、ワークテーブルが、食事をするテーブルや、キッチンの作業台の一部にもなるこの形を提案しました。
また、建主が高さの低い植栽を沢山植えることが好き、ということから、リビング以外のすべての窓は、床から高さ60センチまでの窓となっています。各部屋から、小さな植栽が連続的に見えるよう、窓を配置しています。現在は、植栽が植わっていませんが、数年をかけて植栽が植わり、最後は建物が低い植栽で囲われる、というイメージで設計しています。この建物は住み始めてから、徐々に完成へと向かっていく計画となっています