彩ちゃんの家
密集市街地に建つお寺の庫裡です。重い障がいを持つ娘さんやその介護のための充分な動作空間、お友達や近隣の皆さんが集まれる場所を確保するため、敷地西の駐車場から東の本堂までを大きな吹抜サロンでつなぐことで、家族以外の方々も利用できる半公共的な住宅になっています。敷地は日当たりのいい南側に開けていますが、娘さんが直射日光に弱いことと、墓地が隣接する立地条件のため1階を全て閉じて壁面収納とし、大きなハイサイドライトから光を採りました。外観をモダンな形態にまとめながら漆喰や焼杉貼など伝統的な素材を用いることで、新しいものと古いものが混在する街並みに呼応した佇まいとしています。設備の面では太陽光発電や蓄電池、薪ストーブ、地下水を利用した手動ポンプ等を備え、地震など災害時の駆け込み寺としての機能を備えました。