東田辺の家-風水とは-
東住吉区は、大阪平野を北に貫く上町台地の付け根にあたる。近くに活気のある商店街もあり、大変住みやすい街である。
住宅を計画する際、最も重要なのは、クライアントがどのような暮らしをしたいか、である。次に向かい合うべきものは環境だろう。どれ程良いプランであっても、その「場所」に合っていなければ、何の価値もないからだ。
その大きな指針として「風水」というものがある。中国から伝わって来たとされるので、東アジア共通のものと言えそうだ。
様々な解釈はあるが、大きくは北東の鬼門、南西の裏鬼門に、水廻りや玄関を持ってこないことだろうか。
本計画のクライアントは、四柱推命に詳しい。よって、この計画において、配置、開口部においては明確な希望があった。
敷地の中心からこの角度の間は玄関を避ける。また、この範囲は開口を作ならない等々。
当初は、難しいもののように考えていたが、むしろプランの確定は早かったと思う。案ずるより産むがやすしである。
考えてみれば、日当たりの強すぎる場所、日が当たらない場所に、向く、向かないを判断するのだから、それ程難しいものではないのかもしれない。
思ったより広く、思ったより明るいという感想を貰っている。それらを実現するにはやはり、敷地に向かい合うしかないのだと考えている。