地元の木でつくった家
葉山町の三ヶ岡地区、大峰山の麓に逗子の杉の木を伐採してつくった小さな住宅です。建て主さんと2人で逗子の山主さんと交流する中で大切に育ててきた森林を切ることが許され、地元の樵(きこり)さんが伐採して山で乾燥させてから製材し、土台、柱、梁、羽柄材としてこの家に使われました。ローコストを徹底的に追求して、外壁を外断熱として内部空間は逗子の柱、梁を表しとし内部は秋田でつくられる杉の構造用合板張り、1階のアトリエ部分のみ漆喰塗り。1階のアトリエ兼ダイニング+キッチンの床はコンクリートの土間仕上げ、天井は2階の床板が表し。2階の床は杉の3層パネル(Jパネル)を両面仕上げして敷き込み1階の天井も兼ねました。玄関の大きな引き戸は葉山の桜花園で購入した蔵に使われていた古材を再利用、夏は開け放して暮らせるように木製の網戸を仕込みました。電気の配線も表しで鎌倉の職人さんが陶器の碍子と白い電線を使ってみごとに配線、昔ながらの技術が蘇っています。浴室も更にミニマムで小田原の桶職人さんが作った小判型の檜風呂、ドイツ製のシャワーカランと船舶用の照明のみの空間。ロフトには仕掛けがあり、南面をガラス張りとして太陽の熱を溜め、1階に設置した薪ストーブから昇った暖気と共にダクトを通して暖かい空気を1階に送り家全体に循環させて暖めています。屋上は建て主さん自らが大リーグ球場などで使われるケンタッキーブルーグラスの種を蒔いて屋上緑化されています。
建物データ
所在地 | 神奈川県三浦郡 |
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用途 | 専用住宅 |
構造 | 木造在来工法2階建て+ロフト |
建築面積 | 107.43㎡ |
延床面積 | 81.15㎡ |
竣工 | 2004年 |
設計者 | 森ヒロシ建築設計所 |
施工 | 大同工業(株)湘南本店 |