「ハレ」と「ケ」の場でつながるL字の家
28坪の小さな家、一見ワンルーム型の間取りですが、食事を作り食べ、子供が宿題やお絵かきをするダイニングキッチン(茶の間)と、気に入った椅子を置いたくつろぎの 居間(応接間)を少しだけずらし、視線が切れるように配置、気配を丁度よい距離に離すことができました。「ハレ」と「ケ」という言葉がありますが、家の中が暮らしの場(ケ)だけにならないように、大人のための場(ハレ)と微妙な距離感をつくることで子供が大きくなっても居心地よく暮らすことができる家がつくれると思いました。内部は杉の梁を表しにしてしっくい塗りで仕上げました。
桜の木を残した外観
90センチの細い路地の奥にある小さな家。
玄関前に四畳半ほどの空地を設けて、法43条の許可を取って建てました。
客間のようなリビング
路地と中庭に面したリビングとダイニングキッチンをL字型に配置することでつながりながらも独立したリビングができました。
リビングルーム
左の障子は路地側の窓、左の白い柱はスチールを十文字に製作、2方向からの閉まる引き戸の戸当たりの役目をしています。
床は杉材、壁と天井は白いしっくい塗り。
リビングルーム
右側が中庭側、梁の奥は吹き抜けになっています。
リビングの吹き抜け
吹き抜けの上には大きなトップライト、子供室があります。
ダイニングキッチン
中庭のデッキに面してダイニングキッチンを配置、右の引き戸の中は電子レンジや食品のストック、プリンターなどが収納されています。
飾り棚のある階段
小さな段差も利用して飾り棚をつくります。
上手に使ってくれました!
階段の下は玄関、2枚の引き戸でリビングとダイニングキッチンを冷気から守ります。
2階の寝室
ベッドの頭側は梁を利用して天井を一段下げて、ちょっと落ち着いた寝室をつくりました。
桜の木がある玄関
玄関ドアの前はガラスの屋根をかけた自転車置き場、床は左官屋さんによる三和土仕上げ。
建物データ
所在地 |
神奈川県鎌倉市 |
用途 |
専用住宅 |
構造 |
木造在来工法2階建て |
建築面積 |
55.71㎡ |
延床面積 |
95.45㎡ |
竣工 |
2006年 |
設計者 |
森ヒロシ建築設計所 |
施工 |
大同工業(株)湘南本店 |