戸越の住宅
計画地は品川区内の住宅地である。この地域は道路幅が狭く、昔からの建物が密集しており、雑多な印象を受ける。そこで、今回の建物は、外部へ開くより内部の空間を充実させることを前提として設計を始めた。
施主の希望は、1Fを家族が集うことができるスペース、2階・3階をプライバシーのある個室とすることで、打合せを重ねて行くうちに、個室には子供達が遊べるセカンドリビングが欲しいとの要望も加わった。そこでまず、4LL’DKの要望を叶えるため、建物を斜線や日影、建ぺい率を考慮し、最大のヴォリュームを用意した。北側は高度斜線により、切り取られた形状となる。切り取られた北側面の屋根と壁面は、外部仕上げをガルバリウム鋼板とし、その他をリシン吹き付けとした。これは、外壁面を切り替えることで北側斜線により切られた建物形状をあえて強調させ、デザインする事で斜線規制を感じさせないようにする狙いでもある。
1階は、ダイニング・キッチンとリビング、リビングと和室で構成している。段差によってそれぞれの空間を分けることで、緩やかに区切り、つなげている。
リビングを挟んで、和室とダイニング・キッチンには、40cmの段差をつけ、リビングを中心とした両側のスペースをベンチのように使用することで、家族や来客が自由に座ってくつろぐ事ができる。
上階はプライバシー性の高い個室で構成している。
また、2階には、お施主さんの要望であったセカンドリビングを設けている。ここは、斜線によって切り取られた、斜めになった天井があらわれる不思議な吹抜けの間を持つ空間となっている。
セカンドリビングは、可動式の机、壁面にはアクリル付きのニッチ、1Fへ抜ける滑り台など、さまざまな仕掛けを用意することで、子供達の勉強スペース、ギャラリー、遊び場と様々なスペースとして、自由に使うことができる。
1FのLDKは、お施主さんの趣味であるお酒を楽しむスペースとして、照明、仕上げの演出をし、行きつけのバーのような、ご夫妻のための空間となっている。
反対に、2Fのセカンドリビングは子供達のための高い天井と天窓から光が落ちてくる明るい空間としている。
建物データ
所在地 | 東京都品川区 |
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用途 | 専用住宅 |
構造 | 木造3階建て |
建築面積 | 69.07m2(20.89坪) |
延床面積 | 180.09m2(54.48坪) |
竣工 | 2010年8月 |
設計者 | LEVEL Architects |
施工 |
おすすめ情報
工種 | 使用部位・おすすめ理由など | 名称・品名等 | 会社名 |
キッチン | 自由度の高いキッチン | オーダーキッチン |
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