A邸別荘
この建物の最大の売りは「ローコストで、かつ、豊かな空間性」つまり、究極のローコスト住宅です。普通の建て売り住宅や知名度の低いハウスメーカー住宅と同等のコストで、それらでは絶対に実現出来ない空間性とクオリティーを持ち合わせています。
「ローコスト住宅」ですが、仕上がりはまったくそんな風に見えないと思います。リビングダイニングの天井高は4.2mありますし、浴室とユーティリティエリアは開放的にデザインしました。キッチンも既製品をうまく組み合わせてオープンキッチンを実現。収納にしてみても、クライアント夫婦に十分な量を確保できました。
外壁色は樹脂モルタルハケ引きの塗り壁で「柿渋色」です。設計当初「黒」の外壁を想定していたけれど、クライアントの要望もあり、和のカラーを採り入れました。竣工したばかりなので、ちょっと色が明るすぎるかもしれませんが、1年くらいたって、少し汚れてくると、もっと落ち着いた深みのある色になるはずです。
リビングダイニングです。天井高4m以上の空間に、オープンのキッチン、家を十分に支える構造体をあえて表しにして、コストの削減はもちろん、木のぬくもり感と力強さを表現しました。連装高窓は十分すぎるくらい、明るい光を取り込んでくれます。
バスルームと洗面室です。面積に制限があるので、それぞれ普通に仕上げてしまっては狭い、ただの水廻りになってしまいます。でも今回はバスルームと洗面室をオープンなガラスで区切ることにより、空間的にも豊かな、狭さを全く感じさせない事に成功しました。
建物データ
所在地 | 千葉県富津市 |
---|---|
用途 | 住宅 |
構造 | 木造平屋建 |
建築面積 | 69.58㎡/21.05坪 |
延床面積 | 67.00㎡/20.27坪 |
竣工 | 2010年6月 |
設計者 | 山内建築設計事務所 |
施工 | 有限会社 誠和建設 |