T10T Renovation
新宿から西に5kmほどの閑静な住宅街に建つ30代夫婦のための計画。築38年鉄骨マンション最上階8階10坪1LDKのリノベーション。
10坪という限られた空間の可能性を最大限に引き出し、多様性のある空間を生み出すことを目指しました。そのために空間を占有する個室から、状況によって空間を使用するイベント&タイムシェアのコンセプトとしました。
個室から溢れた収納物は、本や衣類などカテゴリーごとに分けて共有の収納を壁面と床下に設け分散レイアウトし非占有空間を作りました。リビングエリアの周囲には上下に引戸用レールを設け、ラウンジエリアの可動本棚と書斎エリアの可動間仕切りと組合せることによって、10坪の空間にワンルームから2LDKまで様々な関係性を生み出せる空間としました。
住環境としても夏にワンルーム状態では住居全体に良好な通風を確保し、冬は小部屋化して暖房効率の良い空間を作ることが出来ます。
さらに引戸の仕上げをホワイトボードやマグネット、ミラー仕様など機能を持たせました。機能引戸は移動した場所にその機能を発生させ多様性のある空間を補足する仕組みとしました。壁面のソファーも天板を反転させ側板に掘り込まれた溝により高さを変え、デスクやハイカウンターとして使用することが出来る展開性のあるデザインとしました。
占有から開放された空間と可変性・展開性の組み合わせによって、10坪というスペースの中で季節やイベント・家族構成など様々な状況に対応可能な多様性のある空間を生み出すことが出来ました。