M邸
建て主は大好きな家族のために、この地に「家族みんなが愉しく暮らすことができ、いつも一緒にいることを感じ取れる家」を建てたいと考えました。そのような建て主の要望に応えるべく、みんなが集うリビングを中心にし、常にリビングを向いて生活が展開されるような家、家族みんなが程よい距離感を保ちいつも一緒にいることが感じ取れるような家を考えました。
リビング、ダイニング、キッチン、スタディーコーナーは広い天井と背の低い家具がリビングやダイニング等をワンルームのような広がりと開放性を持たせながらそれぞれの場所をつくりだします。また、たった2段の階段ですがレベル差があることで変化のある空間を生みます。そこは単なるワンルームではなくそれぞれの居場所がある距離感を持ち緩やかに連続するような場所となっています。スタディーコーナーはリビングを向いて使えるようにしており、ちょっと顔を上げればリビングやダイニングを見渡せるようにしています。
そのまわりには和室や寝室等のプライベートな場所を、ホールやスタディーコーナー等の「間」を挟むようにして、ダイレクトに繋がるのではなく気持ちとして少し距離を持った配置をしています。特にリビングと和室の関係において、引戸を開け放てば和室、ホール、リビングが一体の続き間として使え、普段あまり利用することのない和室をリビングの一部として取り込むことができます。来客の寝室とする時には引戸を閉めることでホールを廊下とし、独立性のある部屋となります。洗面、便所、浴室といった水廻りは宿泊するお客の利用を考えて和室の近くに設け、あまり気を使わなくて済むようにリビング等から離して設けています。